蒲郡一帯を支配していた鵜殿氏惣領家である上ノ郷鵜殿家の居城。
上ノ郷城は一般的にはマイナーな城ですが、忍者が初めて落城させた城として、忍者ファンの間では有名な城なのだそう。
松平元康(後の徳川家康)は、城主鵜殿長照の息子二人(氏長・氏次)を上ノ郷城合戦で生け捕り、駿府に人質として捕われていた元康の妻子(瀬名・竹千代・亀姫)と人質交換により、妻子を取り戻すことに成功します。
別称 | ― |
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城地 | 山城 |
天守 | ― |
最初の城の築城者 | 不明 |
最初の城の築城年代 | 不明 |
現在の上ノ郷城の多くはみかん畑など、耕地として利用されている部分が多いのですが、曲輪や土塁などがよく残っています。
独断と偏見による上ノ郷城の魅力
- 松平元康が反今川の姿勢を明らかにする
- 甲賀忍者の活躍によって落城
- 鵜殿長照の息子二人を捕らえ、元康の妻子と人質交換
本記事では、上ノ郷城の見どころと御城印について紹介します。
上ノ郷城の歴史については、こちらで紹介しています。
上ノ郷城の構成と見どころ
上ノ郷城は、松平元康率いる大軍に囲まれても、なかなか落城しなかったと言われています。
なかなか落ちなかった理由は、
城の周辺には「矢倉場」とか「門前」とかいった城にまつわる地名が多く残っていることから、総構えのような、町全体で城を防御していたからではないかと考えられています。
主郭を中心に、北曲輪、東曲輪があり、土塁で守られた城です。
堀跡
城の近くを流れる兼京川は、城の堀の役目をしていたと言われており、人為的に流れが変えられているとされています。
兼京川
ただの農業用の水路にしか見えませんが、これでも川です。
かなり防御力があったそうなので、当時はもっと深くて大きかったのかもしれません。
熊ケ池
堀の一部と言われている熊ケ池。
ただの調整池にしか見えませんが、堀の一部です。熊ケ池には、鵜殿家の美しい姫が身を投げた伝説が残っています。
主郭
上ノ郷城の主郭は、発掘調査により複数の建物跡が見つかっています。
「上ノ郷城」の看板の裏あたりは何もありませんが、看板がない東側部分は畑として利用されていました。発掘調査後は、再び埋め戻して、元の畑として利用されているとのこと。
上ノ郷城北側
上ノ郷城の北へ約3kmのところ、上ノ郷城合戦のとき松平元康は名取山に陣を張り、元康が腰を下ろしたという伝承が残る腰掛岩があります。
腰掛岩まで行こうとしましたが、土砂災害による通行止めで行けませんでした。次に行く機会があったら、再チャレンジしてみたいですね。
上ノ郷城から家康が陣を張ったとされる名取山がよく見えます。当時は名取山からもきっと、上ノ郷城がよく見えたことでしょう(今は木が生い茂っているので見えないと思われます)。
上ノ郷城南側
城の南側からは三河湾を望めます。
『どうする家康』第6回では、本多忠勝軍が海から船で上ノ郷城に近づき、攻撃を開始していました。当時は海岸線がすぐ近くにあったのでしょうね。
東曲輪
上ノ郷城東曲輪
東曲輪は畑として利用されています。あぜ道を歩いても、畑の中に入らないように見て回りました。
土塁
上ノ郷城の土塁
土塁の上はみかん畑、曲輪は畑になっています。土塁上は日当たりが良いので、ミカン栽培には最適なのでしょう。
農家の方たちが農作業をしていたので、作業のじゃまにならないように見学しました。
土塁の上にある祠
土塁の上に登ると、そこには祠がありました。
土塁の上からは、「上ノ郷城」の看板がよく見えます。
みかんの香りがする上ノ郷城の御城印と販売所
上ノ郷城の御城印
御城印の赤い色の部分にはミカンの香りを入れたインクを使用していますので、爪で軽くこするとミカンの香りがしますよ。
ということでしたが、擦らなくても、ほのかにミカンの香りがしました。
上ノ郷城の御城印は、蒲郡市博物館または蒲郡西部公民館で購入できます。
蒲郡市博物館
蒲郡市博物館は上ノ郷城からは車で約10分の距離にあります。
竹谷松平家屋敷大手門
駐車場から蒲郡市博物館への入り口には、竹谷松平家屋敷の高麗づくりの大手門であったとされる門が復元移築されています。
竹谷松平家は上ノ郷鵜殿家と縁戚関係にありましたが、上ノ郷城攻めでは家康方として参戦しています。
西部公民館
元々小学校においてあった上ノ郷城の復元模型が期間限定で展示されていました。小学校に返すのか、このまま展示を続けるのか、まだ未定だそうです。
上ノ郷城へのアクセス
赤日子神社
駐車場は、赤日子神社の横にある駐車場を利用するのが便利。
周辺の道はどこも車が1台やっと通れるぐらいの狭さなので、ドキドキしながら走りました。
ここを左に曲がったところに駐車場があります。
赤日子神社の駐車場
車が5台ほど停まれる駐車場です。ここにはトイレがありますので、用を済ませてから城に行くといいでしょう。
腰掛岩のある名取山周辺にも駐車場がないので、ここに車を止めて歩いて行きました。
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