毎年5月5日に長篠城本丸で行われる『長篠合戦のぼりまつり』。
長篠・設楽原の戦いで亡くなった兵士たちの霊を弔うために、戦後にはじまった伝統あるお祭り。
和太鼓の演奏と火縄銃の実演はとても迫力があって、ハマってしまいました。
本記事では、長篠合戦のぼりまつりの様子を紹介します。
武者行列
開催年の4月1日時点で中学生以上の方であれば、県の内外問わず、国籍問わず応募できますので、我こそはと思う方は応募してみてはいかがでしょうか。
- 武将役15名
- 姫役4名
一部男女を問わない役もありますので、女性でも武将になれます。
2024年の鳥居強右衛門と武田勝頼は女性の方でしたし、織田信長役は欧米系の外国の方でした。
武将が本丸の会場に入ると、役を演じている方が紹介されます。
市内はもちろんのことですが、武将になるために全国から応募者が集まることが分かりました。
開会式後、場所を移動して、武者行列に参加した武将&姫様たちと一緒に写真撮影を行うことができます。
2023年の武者行列
2023年は、初めて行った長篠合戦のぼりまつり。到着時刻がたまたま武者行列の時間ということもあって、横について一緒に歩きました。
2023年は大河ドラマ『どうする家康』が放映された年です。長篠合戦の放送回はのぼりまつりの1ヶ月後の放映でしたが、大河ドラマへの期待が、ここ長篠の地で感じられました。
貫禄がある上に親しみやすい家康様でした。
酒井忠次さんにいたっては、取り囲んだ子どもたちが「え~び~すくい♪えびすくい♪」と歌い始めると、ノリノリでえびすくいを踊ってくれました。
宴会部長(武将?)の酒井忠次は、こうでなくっちゃ
武者行列には、この後火縄銃演武を披露してくださる鉄砲隊のみな様もいらっしゃいます。
武者行列のみな様は、このあと本丸で行われる式典のために勢ぞろい。
鳥居強右衛門
長篠城の戦いのヒーローで日本一の足軽と称される鳥居強右衛門。将ではないので本来なら旗なんてありませんが、長篠の戦いを語る上でなくてはならない存在。
大河ドラマを控えていることもあって、強右衛門さんは、道中なにかのインタビュー取材を受けていました。
ただの一足軽兵にすぎないのだけれど、長篠城を死守する城兵たちにとって、強右衛門の行動はまさに救世主。
強右衛門という役どころの重みを強く感じておられた様子でした。
この時大河ドラマで鳥居強右衛門役のキャストが発表された後であり、大河ドラマに登場することはわかっていました。
どんなふうに表現されるのかワクワクしていました。
長篠陣太鼓
野外に響き渡る和太鼓の音。
女性陣による和太鼓演奏には優しく華やかであり、男性陣による演奏は激しく力強い!
一糸乱れぬバチさばきは、見るものを魅了します。
紅太鼓
のぼりまつり開会式の前に行われた紅太鼓の演奏。
紅太鼓は、地元の主婦のみなさんが集まって始めた和太鼓サークル。若い人もいれば年配の人もおり、年齢幅は広いけれども、太鼓の演奏に年齢なんて関係ありません。
長篠陣太鼓
開会式の後、詩吟奉納が行われ、その後に行われる長篠陣太鼓保存会の皆さんによる、迫力満点の和太鼓の演奏。
今まで体育館などの屋内ステージで和太鼓の演奏を聞いたことはありますが、屋外での和太鼓の演奏を聞いたのは、私にとってこのときが初めてです。
屋根もまったくない屋外なので、音はそんなに響かないんじゃないかと思っていましたが、そんなことは全くありません。腹の底にまで響きが伝わってくる、見事な太鼓でした。
時々バチを回したり、演者が移動したり。
タイミングを完全に一致させて太鼓を叩く技術は見事なもので、10の太鼓+1つの大太鼓が調和する太鼓の響きに、誰もが聞き惚れていました。
一言、かっこいい!
長篠陣太鼓の公式YouTubeチャンネル
映像もいいけれど、やはり生の迫力にはかなわない!生で感じるのをおすすめするよ。
火縄銃演武
長篠合戦のぼりまつりのメインイベント、火縄銃演武。
これが見たくてこのイベントに来たんだよね
火縄銃演武を行うのは、下記の皆さん。
- 長篠・設楽原鉄砲隊
- 日本前装銃射撃連盟
- 米沢藩古式砲術保存会
それぞれ衣装も使用する火縄銃も微妙に違っています。実際に行うのは、玉込めをせずに火薬だけの空砲。
空砲だけれど、用いる火縄銃が違えば、鳴り響く音も違います。
長篠・設楽原鉄砲隊
真偽の程はともかくとして、設楽原の戦いといえば「鉄砲の三段撃ち」。長篠・設楽原鉄砲隊は、三段撃ちを披露してくれます。
映像では、火縄銃の音の迫力が伝わって来ないのが悲しい~。
三段撃ちに入る前に、火縄銃を撃つ時の一連の動作の解説をしてくれます。本を読んだだけではわかりにくい火縄銃を撃つときの一連の動作が、実演を通してよく理解できました。
空砲なので、ここでは弾丸は詰め込みません。銃の先端から発射用火薬(玉薬)を10gほど(カレースプーン1杯ほど)を入れ、銃の下に付属している槊杖(カルカ)を使用してしっかり詰めます。
火薬をしっかり詰めたら、カルカは銃の下に収めてしまいます。
次に火皿に着火用火薬(口薬)を入れて火蓋で蓋をします。
玉薬は腰の前方につけた箱型のカバンの中に、口薬は後方につけた袋に入っており、間違えないように取り出すところを変えているのがわかります。
火縄は長いほうが良いと言われています。火の付いた長い火縄をできるだけ火薬から安全に取り扱うために、余った縄をどのように処理しているのか、個性が出てます。
鉄砲を構え、
火蓋切れ~!
の合図で閉じた火蓋を開けます。
撃て~!
の合図で引き金を引くと、火縄の火が火皿の火薬に着火し、銃身に詰めた火薬に火が伝わって火薬が爆発します。弾が詰め込まれていると、ここで弾が標的に向かって発射されます。
玉を込めない空砲ですが、玉を込めた状態で射った場合、音がこもって全く違う音になっていたと思います。どんな音になるのか気になるところですが、流石に危険なので諦めましょう。
日本前装銃射撃連盟
日本前装銃射撃連盟は、一つ一つの撃ち方についての解説が入ります。
米沢藩古式砲術保存会
使用する火縄銃は太く、玉は30匁あるとのこと。よくわからないですけれど、大きめのビー玉くらいだのだそうです。
使用する火薬量も多く、それだけ撃ったときの反動も大きいため、空砲とはいえ思ったとおりに撃てるようになるには2年かかるとのこと。
他の鉄砲隊に比べ、かなり反動が大きいことがわかります。
弓演武
三河日置流雪荷派の皆さんによる具足弓演武。雪荷派の起源は室町時代、家康公をはじめとする戦国武将に採用された極めて実践的な射法を得意とする流派とのこと。
たかが弓、されど弓と思って舐めていました。すいません。
めちゃくちゃ威力あるし、命中率高い!
鏑矢の実演がありました。
鏑矢の鏃は金属製で、球形をしています。この鏃が風を切って音を出すことから、鏑矢は「音響矢」とも呼ばれます。
鏑矢を射ることで、独特の音が発生します。この音は魔を祓う力があると信じられてきました。
神事や儀式でのみ使用され、具体的には、流鏑馬や馬術の儀式、仏教寺院の法要などで用いられます。また、近年では縁起物として販売されることもあります。
物産展・キッチンカー
お祭りといえば、屋台!
キッチンカー
鮎の塩焼きと土手煮。鮎は大ぶりで、塩加減も絶妙。
ここのおばあさんの焼く鮎は美味しいんだよね。土手煮もトロトロで甘くて美味しかったです。見た目は色が濃くてしょっぱそうに見えるかもしれませんが、塩味は甘味ほど感じません。唐辛子を振りかけると、味にアクセントが付いて、より美味しくなります。
定番の五平餅
他にもおだんごやチョコバナナや鯛焼きも売っていましたが、私はやはり定番の五平餅。
シンプルな味噌ダレです。
他にも、ケバブやかき氷や、ロングポテトやお弁当、焼きそばなどが販売されています。
物産?展
愛知県の楽しいキから、地元の名産品や武将ゆかりの品々を売り込みに来ています。
豊明市観光協会
豊明市観光協会のブース
長篠合戦のぼりまつりの約1ヶ月後に開催される桶狭間古戦場まつりのPRも兼ねて、Tシャツやマフラータオル(織田信長・今川義元・松平元康)、沓掛城の御城印を販売しています。
ここで購入した「桶狭間の戦い」Tシャツを着て卓球の練習に行ったら、バカウケしたよ。スポーツだって、戦いだから問題なし!
東浦町観光協会
東浦観光協会のブース
東浦町は徳川家康の母である於大の方の生誕地。於大の方を前面に出し、フルーツよりも甘いと言われる名産品のプチトマトを販売していました。
詳しくは長篠合戦のぼりまつり公式サイトを見てね
古城で町おこしは何も日本だけではありません。ドイツだって、古城で町おこしを頑張っています。
古城で町(村)興し……、こういうのは大好きです。
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