『どうする家康』第7回のタイトルは「わしの家」。
三河統一に苦戦する元康(松本潤)は、民衆の間で一向宗が大人気だと知る。武士は民の敵と説く一向宗徒から年貢を取り立てようとするが、それが悲劇の始まりだった―。
舞台は戦国時代。当然のことながら多くの城郭たちが物語には登場します。
本記事では『どうする家康』第6回に登場する城郭たちを紹介し、物語の背景などを城郭の観点から補足解説いたします。
『どうする家康』第7回に登場する城郭たち
- 岡崎城
- 本證寺
人質交換により、妻子と再び一緒に暮らせるようになった元康は、再び三河平定のために動き出します。
岡崎城
岡崎城では殿が城下を眺めながら、三河を一つの家とみなして、名前を「元康」から「家康」へと名前を改めました。
今も、岡崎城の天守からは、岡崎の街がよく見えます。
家康が岡崎にいたころは、岡崎城に天守はありませんでした。しかし岡崎城は湿地帯に囲まれた丘陵地という高い場所にあります。
天守がなくても、本丸からは城下がよく見えていたにちがいありません。
一向宗の寺の話題で盛り上がる女たち
その頃台所では、瀬名が家臣の妻たちと一緒に、一向宗にお寺に一度行ってみないかと盛り上がっています。
瀬名は岡崎城に入ることができなくて、築山に住んでいたんじゃ?
と疑問に思った人は私だけではないでしょう。
- 瀬名は最初から岡崎城に入っていないのか?
- 最初は岡崎城にいたのだけれども途中から築山に住むようになったのか?
- 築山に住みつつも、岡崎城に通っていたのか?
そんな疑問を解決する文献を、私はまだ見たことがありません。知っていたら、誰か教えてください。
岡崎城について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
本證寺
CG再現された本證寺
一向宗の本拠地として、当時は土塁や堀があるなど、要塞化されていました。
書籍によっては「本證寺城」と記述されることもあるとか。
戦ばかりをしていた中世の時代、寺も戦いに巻き込まれることがあったので、自ら要塞化して自衛することもありました。
自衛どころか、他宗派を焼き討ちしてたりするんだけどな!
宗教施設が要塞化するのは、ヨーロッパも同じ。マリエンベルク城は要塞化した司教座。
『三河物語』に登場する野寺の寺が本證寺。
三河一向一揆のあと本證寺は取り潰されてしまいますが、江戸時代には再建されています。
現在の本證寺
今も堀や土塁が残っており、かつて城郭寺院だったことを匂わせています。
本證寺公式サイト
第7回「わしの家」のあらすじ
人質交換により、再び妻子と一緒に暮らせるようになった家康。元康の妻子が来たことにより岡崎城内は明るくなり、お方様に様々な差し入れをする家臣たち。
- 酒井忠次→茄子
- 鳥居元忠→卵
- 平岩親吉→大きな丸い石
平岩親吉が川原で拾ってきたこの大きな丸い石が後の回に再登場するとは、このときは全く予想していませんでした。
こんなところにこんな伏線が……。
上ノ郷城にいる元康の母である於大の方までも、岡崎城に出向いて歓迎しています
- 松平元康→松平家康
- 於大の方
- 瀬名
- 登与
- 酒井忠次
- 鳥居元忠
- 平岩親吉
- 石川数正
- 夏目広次
- 木下藤吉郎
- 織田信長
- 本多正信
- 竹千代
- 亀姫
- 鳥居忠吉
- 本多忠勝
- 榊原康政
- 土屋長吉重治
- 渡辺半蔵守綱
- 千代
- 空誓
- お杉
- お梅
- おふう
- おりん
- 元康は今川義元から賜った「元」の字を捨て、三河を「家」と考えて「家康」と名乗ることに
- 信長から、三河に謀反の動きがあることを知らされる
- 一向宗の寺が栄えており、寺から税を取り立てられないかと考える家康
- 男たちも女たちも一向宗の寺が気になり、変装して本證寺に忍び込む
- 空誓と話す家康、正体がバレてしまった家康とその仲間たち
- 対立が深まり、一揆への動きへ
信長からの鷹狩のお誘いに出かけると……
大草松平氏、吉良義諦、酒井忠尚の家中のものたちが、謀反の企てを白状したと、木下藤吉郎に引っ立てられていました。
大草松平氏は、第2回で登場した松平昌久が大草松平氏。吉良義諦は第3回で登場した人物で、東条城を治めていました。
空誓上人と話をする家康
本證寺の住職空誓上人を演じるのは、60歳の3代目市川右團次さん。落ち着き払って貫禄があるように見えますが、史実では当時19歳です。
演じる中の人の都合上、とても老けて見えるかもしれませんが、空誓上人が19歳、家康が20歳のときのことです。空誓上人はすでに老成しているように見えるかもしれませんが、19歳の少年です!
戦をしたくてしているのではない!(中略)戦をしてはならぬのなら、一体どうすればよいのです?
知らん。生きとる世界が違う。
答えになっていないような……。
第7回「わしの家」の感想
『三河物語』によると、三河一向一揆は人質交換の前に書かれています。しかし三河一向一揆は永禄6~7年、上ノ郷城陥落は永禄5年のことなので、ドラマの順番が正しいです。
渡辺守綱=ジャイアン
槍の半蔵こと渡辺守綱を演じるのは、声優の木村昴さん。
木村昴さんといえば、『ドラえもん』に登場するジャイアン、『呪術廻戦』に登場する東堂葵を演じていらっしゃる声優さんです。
今回演じた渡辺守綱はどうかというと、声だけでなく行動までも「ジャイアンそのもの」。
庶民に変装した殿を殿と気づかずにうっかり殴ってしまう役どころ。後でとのと気づくももう遅い。
SNSでも
といった意見が多数ありました。
「鬼半蔵」こと服部半蔵と、この「槍半蔵」の渡辺守綱は、『どうする家康』ではお笑い担当になっており、緊迫した場面を和ませてくれる存在です。
渡辺ジャイアン守綱、いい味しています。
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