『どうする家康』第5回のタイトルは「瀬名奪還作戦」。
今川に捕らえられた瀬名(有村架純)救出のため元康(松本潤)は家臣たちの嫌われ者・本多正信(松山ケンイチ)を頼る。正信は服部半蔵(山田孝之)と奪還作戦に臨むが…。
舞台は戦国時代。当然のことながら多くの城郭たちが物語には登場します。
本記事では『どうする家康』第5回に登場する城郭たちを紹介し、物語の背景などを城郭の観点から補足解説いたします。
『どうする家康』第5回に登場する城郭たち
- 岡崎城
- 今川館(駿府城)
第5回は、岡崎城と今川館でのやり取りのみなので、登場するのはこの2城のみ。
岡崎城
雪が舞う冬、殿の妻子を取り戻すためにどうすればいいかと考える家臣団。
お方様を助け出すためにはどうすれば良いか……、なにか作はないか……。
作戦会議は、本丸のどこかにあった建物で行われていたのでしょうか?
岡崎城の登場は、
- 於大の方が元康の異父弟妹たちを連れてきた場面
- 元康の妻子を取り戻すための作戦会議が開かれる場面
- 鳥居元忠と平岩親吉が本多正信と服部半蔵について語る場面
などで、城内の様子が描かれます。
作戦会議は本丸かもしれないけれど、それ以外は二の丸の建物なのかな?
岡崎城の背景は田園風景が広がっていて良き
岡崎城について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください
岡崎城は行くたびに新たな発見があって、楽しいです。城域内に飲食店もあるので長時間楽しめますし、武将隊のみなさんもかっこいい。
今川館(駿府城)
今川館では鵜殿長照の息子たちが手合わせをする様子を今川氏真が眺めたり、鵜殿長照兄妹に関口家の処遇について語る場面で登場。
瀬名の侍女のたねが駿府の市場へ買い物に出かける場面では、駿府がいかに栄えた都なのか表現されています。この時代、駿府はたいへん栄えた都市の一つ。田舎の岡崎との対比が面白い。
当時の駿府城城下町は、史料から人口は6千人以上だったのではないかと推測されています。
瀬名の母の巴が、駿府を離れて田舎の三河へ行きたくないという気持ちも分からなくもないですね。東京を離れたくない人がいるのと同様。
今川館は駿府城の下に埋もれてしまっているけれど、調査により姿が少しずつ見えてきています。駿府城について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
第5回「瀬名奪還作戦」のあらすじ
久松長家・於大の方一家
久松長家と再婚した於大の方は、夫と子どもたちとともに岡崎城下に住まわせてもらうことに。
登場する子どもたちは、元康の異父弟妹たち。父上より立派な城だと大はしゃぎ。
源三郎は、兄上のようになりとうございます!
今川との戦いの後の武田との戦いで再び登場する源三郎は、ここで登場しています。源三郎のこのセリフは、後の回のフラグのようにも見えます。
- 久松長家
- 於大の方
- 松平元康
- 平岩親吉
- 酒井忠次
- 本多忠勝
- 鳥居元忠
- 鳥居忠吉
- 大久保忠世
- 本多忠真
- 大鼠
- 穴熊
- 今川氏真
- 鵜殿長照
- 鵜殿氏長
- 鵜殿氏照
- 巴
- 関口氏純
- 服部半蔵正成
- 石川数正
- たね
- お田鶴の方
名前だけ登場
- 飯尾連龍
- 岡部元信
- 駿府に軟禁状態になっている元康の妻子を取り戻すためにどうすればいいか悩む家臣団
- 大久保忠世が本多正信を紹介
- 正信は忍者の服部党を使って盗み出す作戦を提案
- 鵜殿長照の妹田鶴が関口一家に近づく
- 関口一家を救い出す作戦は、情報が漏れて失敗する
夜陰に紛れて駿河の浜から船に乗せてしまえばこちらのもの。水野殿から師崎あたりの港をお借りし……
最初は服部党のみに任せるつもりだった正信ですが、数正と忠次、殿に言われて自分も一緒に駿河に赴くことになりました。
大崩海岸に拠点をつくって瀬名を奪還する作戦について話し合う正信と服部半蔵。大崩海岸は、瀬名の父である関口氏純が城主を務める持舟城のすぐ近く。港もすぐ近くにあります。殿の妻子を盗み出して船にに乗せるのに、まさにうってつけの場所です。
第5回「瀬名奪還作戦」の感想
第5回は、本多正信と服部半蔵の初登場回。
飄々とした正信と、忍びではなく武士と言い張る服部半蔵のキャラクター付けが面白い。
服部半蔵
服部半蔵が手裏剣を投げれば、刺さらないは、明後日の方向へ飛んで行くは。
あまりの下手さにびっくりする正信。
服部半蔵の父である初代服部半蔵が伊賀出身というだけで、正成自身は忍者ではなく武士。
ドラマに登場する半蔵も忍者であることを全否定していて武士であることを主張しています。そうは言いながら、関口家救出作戦のときの出で立ちが、忍者そのものなんですけど。
伊賀忍者を指揮するために、自らも忍者の格好になって行動をともにしたと解釈しておきます。
「鬼半蔵」の異名がつくほどの槍で武功をあげているんじゃ。
関口家
松平元康が裏切ったことで、軟禁状態になっている関口家。
今川義元の妹とされる(関口)巴は駿府に未練がある様子。しかし氏純は
わしはもう、今川家がかつてのように立ち直ることは、もうないと思うておる。
氏真の側に仕えていただけに、感じるものがあったのでしょう。
繁栄している今川家の時代を知っており、氏真の代になって没落していく今川家を見つめるその目が切なく映ります。
役者さんの演技が素晴らしいとも言う。体全体で、時には目だけで感情を表現しているのだから。
「竹千代様をすぐに殺せ」「あとで殺せ」「今日殺せ」「明日殺せ」と声があったが、関口刑部之少輔の孫なので、すぐに殺されることもなかった。
『三河物語』より
関口氏の家臣としての地位が高いから、軟禁状態ですんでいるともいえます。
とはいえ、お田鶴の方から命乞いがあったにも関わらず、結局、氏真から関口夫妻は死罪を申し渡されるのですけどね。
お田鶴の方にとっては瀬名を助けるつもりで密告したのに、全くそうなっていないところが可哀想。
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